湯田温泉峡風呂美術大学

「風呂美術はまったく新しい入浴空間を創造するための芸術的手段である。(略)そこではお風呂と美術のあいだにいかなる脱衣所もない。」(『風呂美術宣言』より抜粋)

温泉旅館に来るときも美術作品を見るときも、ひとはどこかを旅してる。のれんの先でアートと出会い、作品の中でまた旅をする。ちょっぴり変わった美大生と温泉旅館の協働企画です。


湯田温泉峡風呂美術大学2020

参加者が決定しました

西川由里子(にしかわ ゆりこ)

 

1996.02.24    東京都在住

2014 女子美術大学付属高等学校 卒業

2018 日本大学 芸術学部 美術学科 卒業

 

  生活やその奥にある世界や大地と向き合う1つの手掛かりとして、生活の中にあるものをモチーフに置き、絵画を描いています。

  主なモチーフは、人の顔、林檎。他にも身の周りにある物をモチーフとして静物画を描き、時折旅先では風景画も制作します。

  生活の中にあるたくさんの断片的なイメージが、絵画という小さな画面の中に、絵の具という物質で繋ぎ止められていくことにより、「どこかで見たことのある感覚」を捉えてもらえたら嬉しいです。

 

 今回の2週間のクロッキー合宿では、白く雪に覆われた西和賀町へ行き、仕事や友人関係など普段の日常生活から離れます。少しだけ違う、物の振る舞いや風景の佇まい、時間の流れと接することになります。

 その中で「そこに"ある"という物や風景から発せられる手触り」を、1枚1手さまざまな線や面、そして色と共に制作していきたいです。

泰地 輝(たいち ひかる)

 

1999.11.28生 現在20歳男性

北海道札幌生まれ札幌在住

北海道市立札幌平岸高等学校デザインアートコース卒業

現在札幌美術学園にて勉強中

来年度から東京造形大学彫刻科に入学予定

 

 札幌の演劇団体ポケット企画の旗揚げ公演「みててよ」にて舞台装置と作曲を担当、第四回公演「おもり」では舞台美術と作曲と音響を担当。趣味は音楽鑑賞で、ジャンルはbreakcore。好きなお菓子はべっこう飴とコットンキャンディ味のロリポップ スキーが得意 美術より音楽の方が好き。

 

 自分は今回初めて風呂美に参加するのですが、普段クロッキーを全くしないので、終了時の目標としては目を閉じても動いている人物が瞼の裏に写るようになりたいです。

赤坂 梨紗(あかさか りさ)

 

島根県松江市出身、静岡大学人文社会科学部1年、19歳。

 

 高校2年の秋、演劇部に所属していたが、美術の先生に声をかけられ、美術部にも時折参加するようになる。これをきっかけに、演劇と美術のハイブリッドを模索しはじめる。

 2020年の抱負は、「ためらわず、うごく」。創作活動をしたい気持ちはふくらむ一方なのに、バイトや学校の課題に追われて身動きが取れない日々に終止符をうちたい。

 

 2週間クロッキー漬け、未見の領域。でも、怖さや不安よりも楽しみとワクワクに支配されています。あの秋、差し出されたまっしろな50号のキャンバスは、私にとって大船で、おもいきって大船にのりこんだことは、私にとって大正解だったからです。

「対象をみることをあきらめない」・「筆をうごかすことからにげない」・「俯瞰する」、これらを目標にかかげ、いっぱいいっぱい描いて、すこしでも「武器」とよべるものが身につけばとおもいます。合宿期間がおわってから、この2週間がどんな風に自分を変えてくれるのか、自分によって左右されるのが面白いです。

 

ギンガク で ミテカク 〜冬のクロッキー・ブートキャンプ〜

 

この冬の風呂美は、2週間ひらすらクロッキーをする合宿としました。

この合宿では美術作品の制作時に問われる『対象を捉える力』を鍛えることを目的とします。

〈目で視ること〉と〈手で描くこと〉にこだわり、思う存分クロッキーを描いてください。

合宿では演劇企画「雪の演劇祭」の参加者が稽古をしています。動くモチーフは常に目の前にあります。

自らの日常から離れ、雪深い小さな町に武者修行に来ませんか。

 

◯合宿期間

2020年2月17日(月)~3月2日(月)

 

◯合宿地

岩手県西和賀町(西和賀町文化創造館 銀河ホール)

 

◯参加費

40,000円(温泉旅館にて1泊3食付)

 

◯募集定員

3名

  

◯参加条件

メール・電話・インターネット電話等で連絡可能であり、原則的に現地まで自力で往復できる15~30歳の方。

美術に関する制作活動をしており、基礎的な技術の向上を求める方。正規の美術教育を受けているかは問いません。

 

◯参加確定までの流れ

web等からの問合せ後、事業説明を受けていただき、参加費の入金をもって参加確定となります。

 

◯応募締切

2019年11月末日 *先着順につき、早めにお問い合わせください。

 

◯お問い合せ

当サイトのメールフォームよりお問い合わせください。


湯田温泉峡風呂美術大学2019冬

 

「湯田温泉峡風呂美術大学2019冬」終了いたしました

  2月19日より合宿をスタートし、3月1〜2日には無事に作品発表を行うことができました。

 

参加者のみなさん、おつかれさまでした。

関わってくださった全ての方々、応援してくださった方々、誠にありがとうございました。

 

◾︎参加者

金井啓太、橋本湧也、吉田真也

(東京藝術大学院メディア映像専攻)

 


湯田温泉峡風呂美術大学2018冬 2018年2月18日(日)〜3月5日(月)

 

追想--------------------------------------------------------------------------

「おわりのかたち」のテーマのもと、光によって見え方が変化する体験型インスタレーション。 

 

風呂美2018冬・参加者

 阿部晶絵(秋田公立美術大学)

 鬼柳瞳子(秋田公立美術大学)

 桑元康成(日本大学芸術学部)

 白山麻衣(秋田公立美術大学)

 谷口結紀(秋田公立美術大学)

 長谷川詩歩子(秋田公立美術大学)

 三澤一弥(東北学院大学)


湯田温泉峡風呂美術大学2017冬 2017年2月27日(月)〜3月13日(月)

 

現在地点--------------------------------------------------------------------------

そこに誰かがいるということ。そこにあなたがいるということ。

それを認められるようになるには、受け入れられるようになるには、「孤独」を知っている必要がある。

人はみな孤独と共にある。そして、相手の抱える孤独に触れる。

私の、あなたの、他者の「孤独」がひしめき合うこの空間で、なにをみとめるのか。

 

3000枚もの半紙に書かれた「孤独」と向き合う、インスタレーション作品。

 

「ギンガクノフユ2017」フォトギャラリーのページにも

写真や動画を掲載しています。

そちらもご覧ください。


湯田温泉峡風呂美術大学2016夏 2016年8月17日(水)〜22日(月)

 

すずなり--------------------------------------------------------------------------

西和賀町にある旅館「山人-yamado」さん全面協力のもと、2回にわたる宿泊取材を経て制作されたこの作品。

旅館での寛ぎと、よその土地にいるという緊張感、この両者間での感情のうつろぎを、カラフルな無数の糸と鈴で表現した。

パフォーマンス発表では糸の伸縮に合わせて鈴の音が鳴り響いた。


湯田温泉峡風呂美術大学2016冬 2016年2月29日(火)~3月14日(月)

 

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自転車、自動車、電車、飛行機、船…。

現代では様々な交通手段を使って移動をすることができるが、乗り物を使用しての移動には身体的な実感が伴っているのだろうか。そんな疑問に向き合った作品。

参加者5名それぞれの歩幅で、自宅から西和賀町銀河ホールまでの距離を歩数に換算し、1歩を1彫りと変換、参加者の合計歩数分木材の彫り続ける。

木材を彫ることを地面を踏みしめる実感に置き換え、彫った木材と木片を使用してのパフォーマンス展示として発表した。


湯田温泉峡風呂美術大学2015夏 2015年8月20日(木)~8月31日(月)

 

「うたよみざる」舞台美術------------------------------------------------------------ 

夏の演劇合宿「プレイ・タウン2015」との合同企画、舞台美術・衣装を風呂美参加学生8名で担当。

戯曲は、西和賀町内で60年以上活動を続けている劇団ぶどう座の「うたよみざる(作:川村光夫)」。

合宿期間中は劇団ぶどう座の稽古場と銀河ホールの2箇所を稽古場所・制作場所として使用。

「放課後のちいさな芸術家」でギンガクに関わっている西和賀高校美術部の生徒たちと共に制作を行ったり、銀河ホールで開催されている「町民大学講座」にて参加学生が仮面作り講座を行ったりし、町内の子供たちと交流する機会を設けた。


湯田温泉峡風呂美術大学2015冬 2015年3月1日(日)~3月9日(月) 

 

「はるまちのはた」----------------------------------------------------------------------- 

西和賀町内から集めた古着約2000着を使用、着古された服を繋ぎ合わせることでその服を身につけていた人の時間や歴史がつまった巨大パッチワーク作品となった「はるまちのはた」。制作場所は、川尻地区にある旧・川尻小学校。参加学生6名に加え、町内から募集した”ちくちく隊”約15名の総勢20名の手によって5日間制作された。

古着から切り取られた30センチ×30センチの正方形がミシンや手縫いによってつなぎ合わせられ2メートル×4メートルの旗が14枚完成し、3月8日には旧・川尻小学校の窓に掲げられお披露目会も行われた。さらに夜間展示も行ない、春を待つ西和賀町の夜を明るく照らした。

2015年の5月~8月には左草地区の旧・左草小学校の窓に掲げられ、同様に夜間展示を行った。


湯田温泉峡風呂美術大学2014夏 2014年8月18日(月)~8月24日(日)

 

「かべひとえ」-------------------------------------------------------------------- 

夏の4ヶ月間だけダムの中から現れる湖畔のステージに、巨大オブジェ『かべひとえ』を制作。

悪天候によるダムの増水に見舞われながらも参加学生約25人で数十トンの流木を高さ2メートル×長さ30メートルに組み上げた。

流木は湯田ダム錦秋湖に打ち上げられたものを使用。”かべ”というものをネガティブに捉えるのではなく、”かべ”が作られたことによって何が生まれるかを思考し、見えないことによって想像力を掻き立てたりその空間を変容させたりする”かべ”として存在させた。

9月には撤去合宿を行い、最後は制作した参加学生たちの手によって”かべひとえ”はなくなった。


湯田温泉峡風呂美術大学2014冬 2014年2月20日(木)~2月23日(日) 

 

「七ツ釜伝説の手ぬぐい」-------------------------------------------------------------------- 

 町の伝説を題材に、シルクスクリーンによるオリジナル手ぬぐい4種を製作・展示・販売。

西和賀高校美術部や温泉旅館の女将さんたちなど、町民とともにシルクスクリーンワークショップを開催。


湯田温泉峡風呂美術大学2013夏 2013年8月5日(月)~8月11日(日) 

 

「あかりのまち」----------------------------------------------------------------------------

 

西和賀町には錦秋湖というダム湖を作る際、ダムによって埋め立てられた集落が存在する。

”あかりのまち”では町内で集めた木の枝を組み立て、家の形を模した灯籠を制作。錦秋湖の湖上に浮かべ、かつて存在していた集落の灯りを再び浮かび上がらせた。

今回の合宿でお世話になった湯本地区全世帯数の灯籠を制作することを目指して制作し、錦秋湖に浮かべる前の灯籠は湯本地区のお宅一軒一軒をまわり灯籠を設置。

夜は湯本地区全体が「あかりのまち」となった。

また、湯田の学童生へ向けたワークショップを開催。大きな紙に自由に絵の具をのせたり、張子のランプシェードにイラストを施した。

最後は夜に作品を公開・展示した。


湯田温泉峡風呂美術大学 モニタリング開催  2013年2月15日(金)~2月18日(月)

 

湯川地区にて営業している「髙繁旅館」「新清館」「新館春山荘」の3旅館に参加者が分かれ、開催約1ヶ月前からそれぞれにコンセプトを定め、話し合いと作品制作を行った。どのグループも「入浴とは」「浴室とはどのような場所か」といったことを念頭に置き、考えを膨らませ構想を練った。

 

髙繁旅館グループ 「極楽」---------------------------------------------------------------

髙繁旅館には壁も浴槽も黄金に輝く「黄金風呂」がある。金色から仏教の極楽浄土の世界を連想し作品制作を行った。

曼荼羅のカタログ、蓮に見立てた浴槽に浮かぶカタクリの花、籠おみくじなどなどの作品を楽しんでもらいながら、入浴することで極楽浄土の世界へ導く。

ついつい湯船に入ったら「極楽、極楽~」と口から洩れてしまう普段とは一味ちがうお風呂インスタレーション。

新清館グループ 「”物語”と一緒に旅館を巡ろう!」------------------------------

お子さんの事をお話しているご主人の顔、また旅館の入り口からお風呂場までの順路が入り組んでる建物の構造が印象的だった。

温泉旅館を「日常」から離れて「非日常」にひたる場所と考え、小さな女の子を主人公に、入口からお風呂場まで巡れるような館内を舞台とした物語を作成。

文章が書かれたカードを物語にそって配置し、それを彩る草木や植物の切り絵を設置したりプロジェクターで映像を投影する等、物語を旅館の建物内で展開させた。

新館春山荘グループ 「モノローグ」---------------------------------------------------

温泉は様々は人の出入りがある場所。今までこの春山荘に訪れた人々の存在を歴史の一つと捉えた。

旅館にあるモノたちに、そこであったことをモノローグとして語らせることを作品に落とし込んだ。どんな過去があったのか、どんな人がここにいたのか、史実と空想を織り交ぜながら、文章を印刷したキャプションを旅館内に点在させることによって、春山荘に訪れた人々の記憶を共有するインスタレーション。